後関信一の光と影

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後関信一の光と影

第15回 後閑信一の光と影 ―栄光と挫折―

時代の変化に対応できるか

 ウイニングランをご覧の皆様、後閑信一です。5月31日を初日とするレースからルールに一部改正がありました。私はルール改正直後の取手GⅢと四日市GⅢナイターを解説させて頂いていましたので、選手達の戸惑うポイントなどがよく見えていました。残り2周まで先頭誘導員を追い抜いてはいけないという所で、後ろから押さえてきた選手が一旦先頭誘導員を追い抜かない様にせっかく上げたスピードを落としてしまい、再度スピードを上げるために踏み返し脚を使ってしまったり、同じパターンで内側の選手に突っ張られてしまい、後方に戻されるレースが多く見られました。

「単調でつまらない!」という意見がお客様からも選手からも数多く出ていました。しかし、改正された新ルールに対して選手達も手探り状態でレースを進めていくしかなく、選手の皆さんは大変だったと思います。今までと同じレースをすれば必ず改正後、1、2ヶ月はその様な形の見えないレースが続いてしまいます。

 私は今まで幾度となくルール改正を経験し、その対応策を何百回とビデオやバンクの実走でシミュレーションしたものです。私の中で一番の痛手はイエローラインの設置でした! 私が自力で走る時は上バンクに登れず惰性が使えなくなり、マーク屋の時は牽制の手加減をしなければならず、よくルールを研究したものです。

今回はそんな大幅な改正ではありませんが、今回のルール改正後、まず見ていて感じたこと。その1つ目は【スタート位置】、2つ目は【打鐘時の位置】、3つ目は【緩む打鐘の位置】です。その3つのポイントを自分の脚質や戦法に合わせて逆算してどう進めていくかを考えることで、無駄な脚を使わずにテンポよくレースを展開し、もがく距離が少なくなった今、改めてギアの選択や、ハンガー下り、フレームのサイズやパイプの見直しなども必要となってくるのではないでしょうか! 

 それだけではありません! 今の競輪界はパワーが主となるトレーニングが主流となって来ています。それも取り入れていかなければならない大切なことだと思いますが【みんなと一緒のことをしている安心感】にならない様に、本来の競輪選手の基礎! 軽いギヤで長い距離を回せる技術練習で速い筋肉の鋭い収縮や、それに伴う心肺機能、呼吸法や呼吸筋なども並行して鍛えていって下さい。

 頻繁にルールが見直されていく競輪界では「時代の変化に対応出来る者だけが生き残る」と私は思います。それには目先の変化にだけに振り回されるのではなく、いつどの様なルールになろうと対応出来る体力と技術力を持っておかなければならない!と私は実体験から感じております。ただスマートでスピードアップだけが成功ではない! スピードの中にも巧みな〝競輪選手〟ならではの技術があり、迫力のあるレースをファンの皆様に提供し売り上げをアップすることが〝競輪選手〟の成功なのではないかと思います。選手の皆さんのご活躍を楽しみにしています。

後関信一

後閑 信一(元競輪選手・競輪評論家)プロフィール


1970.5.2生/牡牛座

主なタイトル/1996共同通信社杯優勝、2001共同通信社杯優勝
2005競輪祭優勝、2006寛仁親王牌優勝、2013オールスター競輪優勝

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